黒田家の刀剣・日本号

黒田節で有名な日本号、福島正則から呑み取った酒豪・母里太兵衛

博多駅前にある母里太兵衛の銅像、大杯で酒を飲み干す場面、槍には現在安全の為か保護テープが巻かれている。黒田家の家臣では一番の武闘派で生涯で76の首級をあげました。

母里太兵衛は長政の名代で伏見城にいる福島正則を訪れた時に酒宴となるが長政の戒めで酒は断ります。すると酒癖の悪い福島正則は黒田の武士は酒によわいのかとしつこくからんできます。飲めないとみて大杯に注がれた酒を用意させて「これを飲んだら褒美をなんでもとらすぞ!」と大きくでます。

ここで断れば武士の恥と心得て、一気に大杯を飲み干してその後三杯を平らげます。そして褒美に天下無双の槍「日本号」を所望します。黒田家にするとスカッとする武勇伝ですが、福島家の家臣にすれば「俺も欲しかったのになんでよそ者にあげちゃうの?あ~ぁぁ」

仮説としまして、福島正則は石田三成がきらいなのでいざという時の為に黒田家と関係を深くしたかった、それに使者に来たのかねがね噂の勇猛で知られる母里太兵衛でどんな漢か試したかった。褒美(贈答品)として日本号を用意はしたものの自分の家臣もほしがっている槍を簡単にやれば家臣の心証を害するのではないか?いろいろ考えあぐねて酒の席で母里太兵衛になんでも好きな物を取らすとかまをかけ誘導する。

もしそうだとしたらこの話にまつわる福島正則のおバカなイメージが消えます、しかしその話以外にも酒に酔って家臣に切腹を申し付けたとか、広島城の改修工事にまつわる不手際で徳川幕府より広島藩50万石を没収され4万5千石の高井野藩に転封させられたとか枚挙に暇がないので酒の上での失敗で間違いなさそうです。

長政の一国長吉は実使用に適した槍です、この日本号は大きすぎて実際に戦場で使えるのかと思いました、ですが刀身に刀傷があり実戦でも活躍したようです。全長は3m21.5㎝重さは2.8㎏刀身が79.2㎝の超ビッグサイズです。槍は長くて軽くて丈夫なのが戦場では有利です。




「酒は呑め呑め呑むならば、日の本一のこの槍を、呑み取るほどに、呑むならば、これぞまことの黒田武士。」私は幼稚園の頃に観光バスでマイクが回って来た時に黒田節を歌い喝采を浴びましたが残念な事に体質で酒は一滴も飲めません。福岡の人は酒が強いと言うのは迷信です。

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